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禁断の庭   

2004年 05月 22日

禁断の庭_a0002942_223846.jpg人には触れることのできないタブーがある。
不幸なことに、私にはタブーが二つある。それが私にとってはアルプス連峰と化した本の山であり、もうひとつは何を隠そう、我が家の庭である。先週末は本棚を含めた部屋の模様替えを無事乗り越え、今週は禁断の庭の草引きに挑戦することにした。
photoを見て頂きたい。
これが草引き前の「禁断の庭」と、草引き後の「なんとか恐怖に耐えられるだろう庭」である。

何故ここまで庭が放置されていたのか。
庭を管理するべき私が、虫が大の苦手だからである。
この庭は父がえらくがんばって作らせた庭であるが、いつか来る虫の恐怖に怯えつつ、春からこっち見て見ぬふりをしていたのだ。枯山水のはずの日本庭園が、どこぞのジャングルパークと化しているのを改めて眺めると壮観である。3カ月逃避している間に、よくぞここまでのびのびと育ったなと感慨深い。

わが家は都市部に位置するのだが、小山を切り拓いてできた土地柄、湿気が多くて百足や蛇や、その他様々な生物が豊かに生息する恐ろしい地域である。うっかり草を引き、土をひっくりかえすと何が出てくるかわからない恐怖といったらない。
危険なのは庭だけではない。あれは昨年、家の中に入り込んだ百足Jr.が、気がつくと自分の頭の上で伸び上がっている様を鏡で見つけ、人生最大級の恐怖を味わった。人間、真の恐怖を味わった瞬間には、叫ぶことはおろか呼吸もできないということを知った不幸な事件である。以来、私室の眼の届くところにムカデキンチョールを欠かしたことがない。自分で言うのもなんだが、あまりにも悲しい習慣である。

さて、「禁断の庭」である。
さすがに3カ月も放置していると庭も荒れ放題となり、ついに本日、妹を道連れに根性試しの草引きを決行した。
結果、…やはり弱蔵は弱蔵なのであった。ミミズやイモムシに出会い、猛ダッシュで逃げて安全地帯で何回涙を流しただろう。気の毒な道連れの妹は、泣きながら草を引いてる私を横に黙々と作業を続け、午後も半ばにさしかかる頃にはようやく草を引き終えた。次の挑戦がまた、間もなくやってくることなど考えたくもない。

今回の草引きで発見した最大の危険地帯が、百足の住処と思われる玉砂利。
以前から異常発生する百足に不思議を覚えていたが、どうやらこの大きな玉砂利の下の隙間が彼らの生息地であったもよう。発生源をとうとう突き止めた事は快挙だが、…だがしかし、これをどうするか、である。
とりあえず忌避剤を用意したはいいが、家への侵入口が分からない以上うかつに撒いてしまうと、家の中が非難してきた百足で危険地帯になってしまう。もういっそ死んでしまいたい。かといって、盲点の玉砂利ですくすく育ちつつある百足の幼虫が成虫になり、子孫繁栄するのを放置するのは更に危険である。もういっそのこと、家ごと放火して全部燃やしてしまおうかとも思ったり。

ああ、気が遠くなる。

by cafe_europa | 2004-05-22 22:39 | think

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