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愛犬のこと   

2004年 05月 31日

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うちの子は平成元年生まれの柴犬で、人間の年でいえばかなりのおばあさん犬である。
気管支が弱い私がいるので、コロはずっと庭で放し飼いの外犬。外犬の平均寿命は説によって若干違いがあるが、大体12〜15歳だという。

コロは前に飼っていた柴の雄犬の子で、2ヶ月違いでもらってきた雑種の子と一緒に育ってきた。
父親のムクはコロが産まれる前3歳で交通事故で死に、一緒に育ったジロは病気で5〜6年前に死んでしまい、それからずっと一匹で庭を駆け巡り、庭を荒らしてくれた。昔は芽が出たばかりの白牡丹をかじって枯らしてしまったり、コロがやけに興奮しているなとそばの地面を見ると百足が千切れていたりと、ちょっと気の遠くなるような事も色々あった。

この子は犬のくせして、かなり鈍臭い。
昔はよく散歩中に元気よく綱を引きつつ前を行き、はっと気づくとミゾに落ちて尻餅をついていたり。猫に近づいて行って怒った猫に鼻を引っ掻かれ、哀れな声をあげたこともある。
ジロ(雄犬)と一緒に育ったせいなのか、焼き芋屋や中古バイクの回収のトラックのスピーカーの音がすると音痴な音程で遠吠えをする。
ジロと一緒に散歩に連れて行くと、時々雌なのにジロと一緒に片足あげて用を足そうとしていたりとか。
ジロがいなくなったあとは困ったことに、裏門の下の隙間から頭を出して外をよく覗いていたが、ある日頭が門の隙間から抜けなくなって通りがかりの人がドアホンを鳴らして教えてくれたこともある。これはもう、鈍臭いにも程があるというものである。

コロは耳炎に罹りやすく、始めは車嫌いだったくせに車で病院へ連れて行ってもらって注射されると具合がよくなるということを理解すると、車=具合が良くなる=とてもいいものに違いない、という図式がちっちゃな頭に刷り込まれ、以来、車のドアを開けると呼んでもいないし、乗せるつもりもないのにちゃっかり乗り込んだりする。
この子が3〜4歳の頃、私が海外へ行ってて1ヶ月家を空けていた時だ。帰ってきた私を一瞬忘れて怖がりのくせに門の向こうから吠え、私にど叱られていかにも「しまった」という顔をした時のこととか。
犬は人間の顔色を見るから好きじゃない人もいるが、確かに犬はかなり人間の側に近く、人間臭くもある。

16年も一緒に家族として暮らすといろんなことがある。
人見知りで怖がりで、ちょっとやんちゃなコロも、散歩ですぐ息切れするようになったのは数年前。最近は、うっつらうっつら庭で眠ってばかりいる。
そろそろ老衰も近いんじゃないかということだ。もうじき、この子も16歳。今まで大きな病気もなく、元気に過ごしてきたんじゃないかと思う。いつ死んでも不思議ではない頃だ。今年の夏を越えられるかどうかもよく分からない。

そう思っても気持ちは複雑で、この気分をどうしたらいいかもよく分からない。

by cafe_europa | 2004-05-31 01:19 | think

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