【バスで、田舎へ行く】泉麻人   

2004年 03月 27日

a0002942_221144.jpg田舎の停留所でバスを待ち、谷川の傍らでパトロール飛行するオニヤンマを待ちぶせする…。仄かに夏休みの田舎の光景が回想される、「ローカルバス紀行記」。『旅』に掲載されたものに加筆しまとめる。(「MARC」データベースより)

北は北海道宗谷岬から南は種子島まで、田舎の風景を探すローカルバス紀行である。おしながきにチャーハンではなく<焼き飯>と書かれてある食堂。注文してみると焼き飯→チャーハン、ラーメン→中華そば…いちいちメニューを言い換えて厨房へオーダーする若い店員。まるでクラブにいるかのように<こきりこ節>を踊る民謡保存会の茶髪の若者達、紐差の教会で何故か展示されている鯨の性器…地方の歴史をおりまぜつつ、現地でのバス旅行風景がなんとものどかに、ちょっとおもしろおかしく描かれている。

田舎のバスはなかなか来ない。なかなか来ないことにいらだちながらも、そんな「なかなか来ないバス」を待つような旅を、僕はちょっとしてみたかったのである。(本文抜粋)
あとがきの<なかなかこないバスを待ちながら>では、原型が小学校の夏休みの日記であると書き出されている。たしかにどこかに懐かしさを感じさせる紀行である。挿入されている写真にも、のんびりとした旅の風景がイメージを膨らませる。モノクロであるのが少し残念だが。旅行が好きでない私にもカメラと地図を持って、どこか旅に出たくさせる本である。

総合評価★★★☆☆(★5が最高)

■書籍情報
バスで、田舎へ行く
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by cafe_europa | 2004-03-27 22:11 | other books

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