【有元利夫全作品1973〜1984】有元利夫・画   

2004年 05月 09日

a0002942_20126.jpg「花降る日」で第21回安井賞特別賞、「室内楽」で1981年、第24回安井賞を受賞した有元利夫は、絵とは何か、創るとは何かに、日々、苦しみ、迷い、自らを励まし、問いかけた。量と線と様式、そしてあくまでもマチエール、絵肌にこだわった画家は、豊かな天分を十分に開花させながらも、志なかばにして、惜しまれつつ38歳で他界した。本書は、1973年の卒業制作から亡くなる前年の1984年までのタブロー371点、版画130点を収録した魅力のカタログ・レゾネ。
(「BOOK」データベースより)


有元利夫氏の作品に出会ってから、かれこれ十数年もたつ。すでに若くして亡くなった人であることを知った時は、心底残念に思った程の画家だ。一般的に彼の名を知っている人は多くはないが、北見隆氏といった有元氏の作風から多大な影響を受けたイラストをご存知の方は多い。作品自体が音楽を感じさせる抑制のある美しい作風であり、氏のバロック音楽好き、とりわけチェンバロの音色を好むことは有名である。

■有元利夫1946〜1985
岡山県津山市に生まれ。1969年東京藝術大学美術学部デザイン科に入学。在学中に渡欧した際、イタリアのフレスコ画に強く感銘を受けフレスコ画と日本の仏画に共通点を見出し、岩絵具を用いることを決心する。1972年卒業制作「私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ」10点連作が大学買い上げとなる。卒業後、有元利夫はデザイナーとして電通に勤めるが、1976年より画業に専念。展覧会出品を重ねながら、1978年「花降る日」で安井賞特別賞を受賞。1981年には「室内楽」にて第24回安井賞を受賞する。その後有元利夫は彌生画廊を中心として数々の作品を発表し多くの賞を受けるが、1985年2月24日逝去。岩絵具を使い、風化を意識した絵肌を持たせた静寂感のある有元の美しい作風は今も多くの人々を魅了し続けている。

総合評価★★★★★(★5が最高)

■参考
アンシャンテ

■書籍情報
有元利夫全作品1973〜1984
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by cafe_europa | 2004-05-09 20:11 | Arts & Photography

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