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扁桃腺の摘出手術について   

2006年 01月 29日

仙人草と慢性扁桃腺炎の治療記でも書いている通り、昨年末からお医者に扁桃腺の摘出手術を再三勧められている身である。しかもこの手術、耳鼻咽喉科と内科では勧める熱意に温度差がある。一般的に耳鼻咽喉科では喉の炎症の症状を取り除くという観点で摘出に熱心だが、内科では摘出後の免疫に関する体調を考えてあまり熱心には勧めない。私の場合はここまで悪化すると内科でもなんとなく勧められるようになってしまう。
それで、素人ながら私なりに扁桃摘出について調べてみた。
記載に誤りがある可能性もあるが、検討の参考になれば幸い。

扁桃は免疫の一機構であるが、成人すると使用されない部分になるのでとっても変わりがないとは主治医の談。WEB上では免疫機能を担う臓器の為とらない方がいいとの論が大勢だが、専門医ではない一般人の論なのでかなりの割合で感情論としてさし引いて考えざるを得ない為、このあたりはよく分からない。



この一般人の説では摘出後、本来なら扁桃でブロックするはずの風邪ウィルスにかかりやすくなるという。ただし、慢性化した扁桃腺炎患者の中には、半数近くの人がもともと喉が弱い体質の方が混ざっていることを忘れてはならない。
一般的には扁桃腺炎は避けられるが、風邪にかかると症状がひどくなる(肺炎にかかるケースが多い)ようだ。
術後、喉が弱い人を含め扁桃腺炎にはなりにくくなるが、ごく一部で扁桃腺炎になってしまう人もいる。これは扁桃といっても実は扁桃の周囲の面積が大きく、手術でも多少残ってしまう。この部分に細菌が付着し、術後も扁桃腺になってしまうというケースがわずかにある。他に、ダイレクトに咽喉炎になってしまうケースがわりとあり、もともと喉の弱い傾向のある人は特に体質改善、生活改善をあわせて考える必要がある。当然ながら、風邪の予防に気を使うように、うがいや手洗い、喉の乾燥や体調管理に気をつけること。
どちらにしても、つらいからといって扁桃腺を摘出し、40度近くの高熱や強い痛み、腎炎などの多臓器の病気の併発は避けられるが、簡単に問題解決というわけにはならない場合もあると肝に命じる必要がある。
なおかつ、術後、人によっては出血が止まらず入院が長引くケースや、喉のひきつれ・発声がしにくい、高熱は出ないが熱がひかず喉の痛みがひかない等の症状が出る場合がある。大半は術後の経過が健やかな方が多い。
(術後の扁桃腺炎のような症状が続くケースでは、漢方の体質改善で効果があったとの体験談あり)

ひとくちに扁桃をとりましょうといってもどんな手術になるのか。
口蓋扁桃という、我々一般人が指すところの扁桃腺の回りの薄い膜をはがしてくりぬく方法になる。インターネット医科大学
手術自体は全身麻酔、部分麻酔どちらも行うようで、3~4時間の手術時間になる。手術2日前から体調管理を兼ねて入院、術後1週間~10日で退院が通常の流れになる。
術後すぐは喉の疼痛がひどく、数日は食事はほとんどとれない状態。
退院後は、私のような喉を酷使する職種でも職場復帰可能と主治医の談。

ただし、私自身は臓器摘出に関してはかなり否定的な方である。
理由は7~8年前の甲状腺摘出手術にある。
首の片方が妙に膨らんで、なんとなく違和感があるような気がしたために予防診察で耳鼻咽喉科の門をくぐった結果、甲状腺腫が発覚。その後、ガンセンターに転院、手術の運びとなった。術後の経過も良好だったが、手術のせいで体質が変わったのか、甲状腺が片方しかないせいか、加齢による体力低下も考慮しなければならないが、もともと体調に問題がなかったところへ、摘出後逆に調子がずっと悪いのである。症状の内容から摘出は致し方なかったとはいえ、よほどのことがない限りは手術に応じる気持ちがない。今回の慢性扁桃腺炎のように「機能していない臓器だからとっても変わりがない」と言われても安易に納得ができないのである。
かと思えば、年2~3回扁桃腺炎による高熱で仕事の負担にならないように手術をしてしまう人もいる。特に女性については、妊娠中扁桃腺炎が発症して抗生剤を服用するかもしれないことを考えると、手術のメリットも大きい。

いずれにしても、摘出するしないは本人の自由選択だが、術後のリスクと健康管理の努力の必要性が分かっていれば、高熱と痛みの苦しみがひとつなくなるだけでも、手術の選択もよいと思う。
ただ、もし手術に迷いがあるのであれば、追い詰められれば追い詰められるだけ苦しい選択になるかもしれないが、手術前に出来ることがあれば手を抜かず全て実行してみてはいかがだろう。

慢性扁桃腺炎の原因のひとつに性病感染があることもご存知だろうか。
私のような症状までくるとクラジミアや淋菌が原因とは考えにくいと医師に言われたが、自己負担で検査した(気になっていた子宮筋腫や内膜症、去年すっぽかした子宮癌・乳癌検診もまとめてやる目的も大きかったが)。成人患者であれば、術後再度感染し咽喉炎などを引き起こす可能性も考えられるため、検査を行うには少々勇気がいるが、パートナーと共に調べてみることもお勧めする。もし性病感染が原因であれば、性病治療によって扁桃腺炎が改善する可能性もあるからだ。(実際は性病感染に至っていない上、性病治療による扁桃腺炎完治例をみつけていないため推測の話になってしまうが)

今回治療を試している仙人草についても、実は効果がでないケースが若干あるそうだ。
それでも、何もしないで安直に手術を選択し、「手術して楽になると思ったのに楽にならない。摘出前にもっと試しておけばよかった」と後悔する気は全くない。効果がなかった場合、症状に耐えている時間が失われる結果になるが、やれることを出来る限り試した結果の手術の選択であれば、術後の健康上のトラブルについても納得ができるだけでも意義は大きい。
「闘病」という言葉があるが、「病気と闘う」よりもむしろ、「いかに病気を受け入れ、納得してつきあえるか」が自然に思えてくるのである。

そんな強気な発言をしつつも、この1ヶ月、数日単位で症状が治まったり悪化したりを繰り返すと体力の消耗が激しく、日常生活もろくに送れず、時々いっそ手術をしようかと投げ捨てるように思うこともしばしばだ。逆に手術などするものかとムキになりたくなる気分も訪れる。それでもすぐに気を取り直すことができるのは、ひとえに私の無鉄砲さを知る友人達の冷静で、思いやりあふれた制止の言葉があるからだ。
感情の上下運動を続けて精神的にもまいりそうになる時も一瞬あるが、早まるなと言う人、早いうちに手術して回復した方がいいと言う人、意見はそれぞれ違うが、彼らの気遣いの気持ちがどれだけ有難いか、とても言葉では表現できない。有難いと思いつつ、つい無茶をしたり、無茶したことを隠したりするのだが。
面と向って本人達に伝えるのもむつかしそうなので、ここで改めて彼らの優しさに感謝したい。
…といっても、おそらく面と向ってつるっと言ってしまいそうだなあ、私の性格では。

今回は私自身が慢性扁桃腺炎にかかった為、特に扁桃腺について考えることも多く未だ結果が見えないが、これから扁桃腺炎で悩む方々へのエールになればと願う次第である。

【性病検査の費用について】
慢性扁桃腺炎の原因としてあげられるのがクラジミアと淋菌。オーラルセックスなどによる唾液や精液で喉に感染する。
保険適用が効くのが性器のクラジミア検査のみ。クラジミアの咽喉検査、および淋菌(性器部分の検査であっても)保険適応外で1部位につき、3500~4000円弱の自己負担となる。
約3日後に検査結果がでる。

by cafe_europa | 2006-01-29 15:31 | 仙人草と慢性扁桃腺炎の治療記

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