【ストラヴァガンザ/仮面の都】メアリ・ホフマン   

2004年 03月 07日

a0002942_15251.jpgロンドンで脳腫瘍の治療を受けているルシアンは、手にした手帳で16世紀のベネツィアへ時空を超える。ローマ帝国以前、ロムルスとレムス兄弟が争っていた頃、ロムルスが勝利してローマに都を築いたのが我々の世界であるが、ルシアンが旅した先はレムスが勝利した世界であり、ここから平行世界が分たれ、ベネツィアとよく似ているが少しずつ違うベレッツァが誕生したのだ。女公主ドゥチェッサを戴くベレッツァでは大魔法使いが時空を旅する人、ストラヴァガンザとなったルシアンを待っていた…
3部作の第一部。


視覚的で、ベネツィアングラスのようにキラキラと美しい物語。ファンタジーとしても面白いが、ベネツィアの平行世界、ベレッツァへの憧れを強く抱いてしまう。金より銀が尊ばれており、建築にもふんだんに錆びない不思議な銀が使われ、16歳以上の女性は全員仮面をつける。女公主直属のマンドリエーレ(こちらではゴンドリエーレ)と暗殺者、ベレッツァを狙うキミチー一族に科学者と呼ばれる魔法使い。

しかし、話の筋としては子供があちらの世界へ冒険するという、よくある話の組み立てだ。仮面の都は1作目にあたるが、すでにこの段階で現実世界で主人公は死に、完全にあちらへ舞台が移動してしまっているところが、多少今後の展開に気がそそられるくらい。話の深みには少々欠けるが、視覚的な輝きが評価されている物語だろう。

総合評価★★★☆☆(★5が最高)

■書籍情報
ストラヴァガンザ/仮面の都
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by cafe_europa | 2004-03-07 14:53 | Children's books

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