【草原の椅子】宮本輝   

2004年 03月 14日

a0002942_2514.jpgかつて出会った古老の言葉が甦る。「あなたの瞳には、使命の星がある」。だが、五十歳を迎え、憲太郎はいまだ「天命」を知らない—。不況のただなかで苦闘する経営者。母に虐待された少年。離婚後の新たな人生を模索する女性。満たされぬ心を抱いた人間たちが、憲太郎と不思議な縁で結ばれていく。日本への絶望が募るなか、憲太郎は人生を変える旅に皆を誘う。シルクロードのタクラマカン砂漠。日本列島より広い、「生きて帰らざる」神秘の地…。心が癒される瞬間を圧巻の筆致で描き、連載時から大反響を呼んだ傑作。(「BOOK」データベースより)

50代のバツイチの主人公がある事情で 親に虐待された幼児を預かることになり 、友人の家電会社会長と 幼児の心を次第に開かせていく 。このふれあいを通して現代の人々がいかに元気になるか 、安心して生きて行けるかを模索する話 。
読んでて妙にホッとする 。しかし感性的にジェネレーションギャップを感じる。これはどうも私だけではないようだ。特にラストのタクラマカン砂漠は余計な感じがしてきてしまう。予言が云々というのも今ひとつピンとこない。
しかし、会長・富樫の言葉が印象深い。いかにして自分たちこの国の人間は、自分の存在に安心して生きられる事が大切か。言葉を変え何度も物語の中で繰り返す。彼の言葉だけでも読んでみる価値はあるかもしれない。安心することで癒される。

総合評価★★☆☆☆(★5が最高)

■書籍情報
草原の椅子・上巻
草原の椅子・下巻
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by cafe_europa | 2004-03-14 02:51 | novels

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