【クリスマスを贈ります】ウィリアム・ウォートン   

2004年 02月 08日

a0002942_161818.jpg時は第二次世界大戦。

無人の少年兵達が占拠した無人の城、そこで出会ったドイツ兵との出来事。対峙した彼らは警戒し、その日がたまたまクリスマス当日ということで、天の気まぐれのような触れ合いがあり、そして恐怖と死があった。

…「敵性情交」という言葉がドイツ人に対する無用な同情を戒める為に流行した。(中略)私達は何も情を通じた訳ではない。実際にあったことから言うと、仲間づきあいをしたのである。あの夜、私達は敵と肩を組んだと言うべきだろう(本文抜粋)

人間の行いの中で最も救われないのが同族殺し、いわゆる戦争ではないかと考えさせる内容。敵であれ相手も人間で、戦争を始めたのも偉い上の人で、戦争して人を殺し、殺される兵士達ではないということ。人としての心の弱さ、迷い、殺し殺される不安と恐怖。
その中でのクリスマスの出来事が、悲しくなる程美しい奇跡のように、物語の中で綺羅星の如く光を放っている。秀逸な作品。

総合評価★★★★★(★5個が最高)

■書籍情報
クリスマスを贈ります
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by cafe_europa | 2004-02-08 17:26 | novels

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