【バーティミアス/サマルカンドの秘宝】ジョナサン・スラウド   

2004年 02月 08日

a0002942_16516.jpg舞台は英国ロンドン。上流階級の魔術師と、庶民の魔法を使えない「一般人」が住む世界。魔術師は貧しい一般人から弟子をとり、子供達は幼い頃から親も自らの名も捨て、帝国貢献の為に魔術の修得に勤しんでいる。
魔法使い見習いのナサニエルは、負けず嫌いでプライドの高い少年。ある日、少年は師匠に隠れて、上級ではないがベテランの妖霊(ジン)バーティミアスを召還。目的は自分に恥辱を与えた、エリート魔術師サイモン・ラブレースが密かに所持する、サマルカンドのアミュレットを盗むこと。盗みに成功した後、ナサニエルとバーティミアスは、アミュレットの出所を調べる内に師匠は殺害され、大事件へと発展していく。
3部作の内の第1部。


目を引くのが、主人公ナサニエルと妖霊バーティミアスの対比。無鉄砲で野心家、プライドの高さが鼻につく少年と、シニカルだがどこか憎めない、5000歳を越えるベテラン妖霊のやりとりが物語に躍動感を与えている。
物語は何度か視点を切り替えているが、時々バーティミアスの視点で読者に語りかけており、召還されて渋々つきあいつつも、どこかナサニエルを気に入りつつある様子が伝わって面白い。文中にある注釈も、全て登場人物バーティミアスの注釈によるもので、物語に入り込みやすくなっている。

映画化が決定し、ハリー・ポッターの対抗馬と言われているようだが、少々疑問。魔法使い見習いの成長という点は確かに共通項だが、物語の種類自体が違うといおうか。ハリー・ポッターも好きだが、あえて言えばハリー・ポッターが肌に合わなかった人に読んで欲しい本。

総合評価★★★★☆(★5個が最高)

■書籍情報
バーティミアス/サマルカンドの秘宝
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by cafe_europa | 2004-02-08 17:33 | Children's books

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